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2010年9月 6日 (月)

Depression Rites : emptiness

ウチに帰るのが嫌だ。
がらんどうの部屋が苦しい。

3時半就寝、5時半起床。
睡眠時間、2時間。

昨日からチィーナさんの容態が悪くなった事に関すれば、
兆候がなかった、と言えばソレは嘘になる。

この夏に入ってから、少しだけ様子が変だと感じていた。
時々、腹這いになりグッタリしていたり、食事の量が日によって変化してたこと。
…部屋のエアコンはしっかり冷房していたが、夏ばてかな? などと思っていた。

なにせ、それ以外は普通と変わりなく、食事をし、遊んで、排泄し、よく寝ていた。
宅配便で何かを新しく入手すると、興味深げに近づき匂いを嗅いだりした。
ソレはいつもの好奇心旺盛で飽きっぽい、マイペースのチィーナさんだった。

今となってはもう遅いが、何処かで自分は違和感を感じていたはずだ。
ソレはほんの僅かな体調の変化だったのだが、大丈夫と思い込み見過ごした。

チョットした変化で大騒ぎするのは大人げないと思っていたかもしれない。
少しくらい食欲がない状態があったとしても、たまにはある、で思い込み、
いつもとは違う場所で眠り込んだりしたのを、気分の問題と考えていた。

…しかしながら、それはチィーナさんなりの訴えだったのかもしれない。
通常との差違を表現して、何かが変だ、と知らせたかったのだろうか。
もう少し注意してチィーナさんを観察していれば、と今更ながら悔やむ。

もう遅くなってしまったが、
何もしようとしなかった自分が馬鹿で、取り返しの付かない過ちを犯し、
どこまでも鈍感で、気付いても行動しなかった愚か者の誹りは免れない。

…自分はやはり、地獄に堕ちなければならない。

面会時間は、15分くらいだったか。
時間は決められていなかったが、何時までもウジウジしてても仕方がないと思い、
チィーナさんの目が穏やかに細まっていくのを見てから、重い腰を上げた。

医院長から幾つかの説明と暖かい励ましを頂き、今後のことを頼み込んでから、
改めて今朝の急患の件についてお礼を言って、それから病院を後にした。

外に出たら夕方から、夜に変化していた。

暗闇の中キーをまわして車を発進させ、帰路につく。

ソレまで、何も起こらなかったが、
改めてハンドルを握っているウチに、涙があふれ出して止まらなかった。

夜道で対向車のライトを受けながら、その光の中に今までの思い出が蘇っていく。
愛らしく、何時もマイペースで、おっとりしながら、好奇心だけは旺盛。
布団に潜り込んでは、足首を噛み、ソファーでじゃれ合いながら、手首も噛まれた。
辛い時には、そうっと様子をに見来て、ほったらかしにしたら、部屋に粗相をされた。

…今まで、ウチに、チィーナさんが、待っていた。
「ただいま」と言うと、物音で眠たげにコチラを見て、アクビをして歓迎してくれた。

…今までは、ウチに、チィーナさんが、いた。
…チィーナさんが、いたのだ。

コレから帰るウチには、チィーナさんはいない。

がらんどうの、部屋に、
がらんどうの、ケージがあり、
がらんどうの、えさ入れが、ある。

がらんどうの、ウチに、帰らなければ、ならない。

到着したが、自分のウチに帰ってきた気になれない。
かろうじて乱立する狂気じみたスピーカー群が自分の部屋だと訴えている。

「ただいま」と言ってみたが、空虚感だけが増すだけだった。

がらんどう。

…ソレでも自分は、待たなければならない。
帰宅するまでは、待たなければならない。

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