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2010年7月13日 (火)

Depression Rites : normal condition

人は会話する事が出来るから、誤解を解く事も出来るし理解する事も出来る。
…何故ここに自分がいるのか? それは当事者が語らなければならない事。

2時半就寝、5時半起床。
睡眠時間、3時間。

やはり、今日の仕事始めは重苦しい感じだった。
終業時間前、若手上司に昨日終業間際の事を掻い摘んで話し、
ある程度の対応処置が取れるようにしたつもりだったが、
それでもギクシャクした状況を解消させるまでには至らなかった。

本来、配送作業は1人でやるものなのだが、
転属後の仕事を覚える為に自分も同乗していた。

しかし、今日からは通常状態に戻すとベテラン上司が言われる。
自分もそれで良いかな、と思ったのだが、このまま気まずい状態にあるのは嫌なので、
少しでも話をする機会を作ろうと思って、無理を言って配送作業に同乗した。

しかしながら、どうにも緊張して言葉が出ない。
こんな時に対人関係の鬱っぽさが出ても仕方がないのだが、
どうやって昨日の自分に対する誤解を解けるかを考えるだけで言葉が詰まってしまう。

そのためか、結局は今の作業に関する最小の会話だけで配送が終わってしまった。
おかげで不信感はさらに増したように思えて、手の下しようがない感じになる。

何をどうやって話せばよいのか分からなくて困った。
ベテラン上司が気にくわないと思っている、自分に対する印象を見いだせない。
相手が何を不審に思い、遠ざける理由になるのか理解できないでいた。

で、
とりあえずは、そのまま職場に戻り作業に入る。

若手上司から言われていた作業指示は頭に入っていたけれども、
キャビネットの員数確認を自分が放棄したと見られている事が心苦しくもあり、
どうしても、それが嫌だったから作業を放棄したと思われたくないので、
自分から「キャビネットの員数確認だけは、やらせてください」と懇願した。

ベテラン上司は顔をしかめて、
「お前は、それをやる事はないだろう!
 朝言われた通りの作業をするんだろう」と言われたのだが、
自分は、とにかく嫌われる障害となっている員数確認の作業だけは、
せめてもの誠意だと思って、お願いします、と頭を下げた。

「オレ1人で、アレをやれと言うのか」
と、試験機材前にある物品の山を指して厳しい口調で言われた。

もしそこで自分が「なら分かりました」と言って、そちらの作業に入れば、
おそらくきっと、意気地が弱くて主体性の無いヤツだと思われると考えてしまった。
そのため、意固地になってしまい、そのまま員数点検を始めてしまう。

それで、
業を煮やしたベテラン上司が電話で事務所にいる若手上司を呼び出し、
直接の上司として、自分に作業指示を改めて言うように電話口で話したようだ。
(あくまでも自分の、憶測ではあるが、間違っていないとは思う)

で、
若手上司が来場して、言葉としては柔らかく誘導するように、
もう少し落ち着いた作業をするように私に言い、次の仕事を優しく命じた。

それは図面の整理作業で、乱雑に入っているモノを番号順に並べるモノだった。
折しも場所はベテラン上司が作業をしている直ぐ近くの書棚だった。

若手上司はそのままその中間点に居残り、幾つか和らげに話しをしてきた。
自分は別段、気を立たせている訳でもなく、落胆している訳でもなかったので、
ごく普通に当たり障りのない会話からポツポツとおしゃべりの相手を始めた。

「う~ん、じゃぁ、ここに来るまでは何していたの?
 整備のショップにいたとは聞いていたけど、具体的にどんな仕事していたの?」

そう、若手上司が聞き始めたから、
自分が何故ここに来るようになったであろう、原因を話し始める。

すると、ベテラン上司も会話に入ってきて、
「ちょっとマテ、そこは大事なところだから、こっちに来て話せ」
と言われ、ちょっとは興味があるところなのかな? と思い場所を変えた。

おりしもそこは試験機材のある前で一番明るいところだった。
そこで3人は円を組むように陣取り、私の話を聞く体制に入ってくれた。
ベテラン上司は胡座をかき、若手上司は背の低い椅子に座った。
自分は何となく声が出やすかったので机に寄り掛かりながら立って喋り始めた。

そうあれは、1年ぐらい前の事から…

「あの時の騒動は、お前か!」
と驚いて唸るベテラン上司。
さすがに会社内部に精通しているだけ有り、多くの事を知っている。

「知らなかった、そんな事初耳だ」
とさらに驚いているのは若手上司。

…まぁ、無理もない、コレだけは当事者しか分からない事。
自分が何を見て、何をやろうとして、何を動かしたか。
決して公には出てこないであろう、あのことの顛末。

ベテラン上司は噂程度で知っていたようだが、
そのさらに先までコトの顛末を話した。

おそらくは、当事者以外に話す事は、コレが初めてかもしれない大きな事柄。
誰にも知られることなく消えていくはずの事実。

…無論、この場にいた人達には、この場だけの話しとしてもらう。
そうそう外に出るような事でもないからだ。

まぁ結局は、自分が七転八倒して、今に至る、と話しをシメた。

コレで2人の上司には自分の印象がだいぶ変わったようだった。

今までは得体の知れない鬱病持ちの厄介者という感じだっただろうが、
1人で負け戦を行った愚直な平社員という程度までは回復したかもしれない(w

ある意味、コトの大きさによって同情もしてくれたとも思う。

特にベテラン上司の目つきが変わった事は印象的だった。

爆弾を抱えた怪物…と言うのがそれまでの印象だったと思う。
いつ後ろから刺されるか、自爆も辞さない危険物のように見ていて、
ピリピリと神経を尖らせていたのかもしれない。

それが、自分の身の上話を終えたら、
ようやく人を見る目つきになってくれた。

だから、その時の心情はどうだった? とか、
その事に対してどれだけの覚悟を持っていたのか? など、
人としての心の動きを心配する質問を私に投げかけてくれた。

そう言った事もあって、ようやく自分も素直に思った通りに話すコトが出来る。
ここ数日に抱いていた上司に対して畏怖の念を持って接していたのだが、
ようやく、わだかまり無く話せる相手として、胸が晴れる思いがした。

話しは1時間程度だったか、休み時間も挟み、自分についての理解をしてもらった。

そうしたら、後はスムーズだった。
何の憂いもなく、背中合わせで一緒に仕事するようになった。

自分は物品を試験機材でテストし、ベテラン上司がソレを見て指示したり、
調子の悪い物品の修理、調整作業をしてもらうようになった。

「お前が、仕事できるようにならなきゃナランのだからな」
そう言って、1つの作業を任せてもらい、
心強くも信頼し、共同で1つの仕事を行えるほどに進展した。

…昨日の状態から考えたら、まるで冗談みたいな間柄になった。
アレほど険悪でギスギスした苦しみに満ちた空気はもうココには無い。
ただ、相変わらず「上司は、若手上司だから」と言う事は変わらないでいるが(w

それでも、その目つきは確実に優しくなり、
その雰囲気は教師であり、職人のそれであり、第一人者としての風格がある。

昨日までや朝方の危険物を見るような目つきは無くなった。

「おい、それちょっと貸してみろ」

私が困っていれば、一緒になって確認してくれる。
そうして原因を考え、「ここが悪いから、数値がばらつくのだ」
とアドバイスをしてくれる。

そして、終業間際にわたしを呼び、
「明日の朝は、オレ1人で行くから、お前は、コレを確認して直してみろ」
と言って、×印の入った物品を1つわたしに預けてくれた。

思わず、
「コレを分解して調整しても良いのですか?」と、間抜けな質問で返した。
…たった今、「直してみろ」と言ったばかりだというのに(笑

「お前以外に、誰がココに残る?」
そう言って、1人で作業をする事を認めてくれたのだ!

小躍りしたくなる心境と言えば分かって貰えるだろうか?
朝の雰囲気は一体何だったのか? と言うほどに暖かくも力強い、この空気は!
そして適度な厳しさも含ませて「仕事」をすることを認めて貰った。

嬉しい。
悔しいけど、本気で嬉しい。

外は大雨が降っていたけれど、それが一体何だというのだ!
オレは、ちゃんと前を向いて進んでいるんだ!
昨日の時より、大ジャンプで、飛び上がったんだ!

…まぁ、そんな心情を体現するほどアクティブには慣れないが、
少なくとも、昨日、会社の門を出た時よりは、確実に前を向き、上を向いていた。

うん、いい。
とても、明日が楽しみだ!

事実は小説よりも奇なり。

この感動は、誰にでも有り得る幸運かもしれないが、
少なくとも自分には、長年得られなかった現実である。

そう、明日が楽しみだ。
コレこそが感動だ。

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