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2009年11月 8日 (日)

「寿庵 いかずち 善方型」 感想

仮設スタンドで1週間使ってみて、
今回正式にスタンドが届いたので、システムとしての感想を書いてみたい。

寿庵 いかずち 善方型 (寿庵

Dscf0997

スピーカユニット:LOWTHER PM6A
エンクロージャー:桜集成材、パイン集成材
           H 642 x W 291 D 251 (mm)

Dscf0999

大きな特長である背面開放型エンクロージャー。
バスレフポートなどの低域増強構造は無し。
内部に吸音材等も無し、エンクロージャーを響かせる方法。

箱であるために内部で反響した音は背面よりストレートに出る。
内部の音は集成材を震わせて、シャープで張りのある響きになる。

Dscf1012

スピーカーユニットのアップ。
ホーン状のスピーカーポートに内側から取り付けられている。
ダブルコーンユニットと良く似合っており、同心円がとても美しい。

Dscf1017

ユニット背面。
正面からは伺えないが、前面の板に対して結構大きい。

Dscf0994

スタンド、別注品。
H 291 x W 285 D 246 (mm)

標準の物とは違い、仕掛けがある。

ちなみに、このスタンド1つで音が全く変わる。
仮設の自作スタンド(安価)では箱の響きに負けてスタンドが唸ってしまい、
ベース等の楽器から出る胴鳴りに締まりが無くなってしまった。
このスタンドだと唸りが消えて、タイトで綺麗な共鳴音が生まれる。

Dscf0995

天板を取り外せる仕掛け。
これにより音がさらに変化してオーディオを知らない方でも直ぐ気がつくほど違いが出る

説明書きには、
「音ぬけが悪いとお感じの時には
 白い天板をはずしてご使用ください。」とあった。

Dscf1004

天板付きで設置。
無い時の違いは音質は中高音が強くなり、低域も少し増える。
定位が強めになり、音がやや中央よりになる。
音の密度は高め、濃い。

Dscf1006

無しで設置。
ある時の違いは音質的にフラットに近くなり、エンクロージャーの鳴りが増す。
音場がワイドになりライブ感が良くなる。
割とあっさりとした雰囲気になり、明瞭度が増す。

ここら辺の変化は個人の好みに別れると思うが、
自分としてはスパーン! と鳴らしてみたいので天板を取り外して使うことにした。

Dscf1007

設置状態。
CB200-STがちょいと邪魔(w
(これはこれで値段の倍以上の音がするのでお気に入りだが、
 今はチューニングでメーカーにお里帰りしているSH-SP7の替わりに使用)

スタンドの下に石版を置き、床との間にfo.Qを挟んだ。
…床まで響かれるとかなわん(;^ω^)

感想として。

不満らしい部分はほとんど無し。
唯一気になるのは、低音~中低音域の量が少なく、音の重さが足りない。
ズシッと来る腰の強さや、濁りの成分が少ないのでチョット物足りない気がする。
その気になればトーンコントロールで低域を出せばいい。

特筆すべきは、
音がとても速いのだが、決して情報量が削られていないこと。
明瞭かつ繊細で音にキレがあり、驚くほどストレートで快活な音を出す。
その上、エンクロージャーの響きが素晴らしく、楽器の胴鳴りが綺麗な美音になる。
ブーミーとは無縁で、音の一粒一粒が立っており楽器の存在感がリアルである。

音質は中高音に重心があり、中低音が引っ込む。
低域は下まで伸びている感じだが不自然な増強感はない。
むしろ低音の膨らみが無い分、細部が聴き取りやすくて良い。
エンクロージャーから発する響きは他のスピーカーでは味わえない楽しさがある。
低域強調による共鳴音ではないので、タイトでキレのある響きが優秀。
ベース等の胴鳴りが、速く締まりがあり、それでいて絶妙のバランス。

定位も良く、小型スピーカーの様な明確な音の配置になる、ピンポイント。
音場はややワイド、音に張りがあるのでライブ感がしっかりしている。
前後方向の表現も素晴らしいが、低音の減衰感が弱いので奥行きはやや浅い。
音の粒立ちが良く、分解能と明瞭度が非常によい。
バンドなどは各楽器がそれぞれ明確に別れるため、演奏が手に取るようにわかる。

音源はあまり選ばない。
大胆かつ繊細でスッキリとした元気のいい音を聞かせてくれる。
中低音が弱いのでしっとりと濡れた表現は少し苦手かも。
打楽器は鳴りが速くガツンと鋭い。アタック感が良く、格好いい。

ソレで、驚いたのがヘヴィメタル。
全ての音が際立つ。
ボーカルが他の音に負けずに前に出る、ハイトーンが耳に響く。
ギターのリフはザクザク斬る、泣きまくる、エッジが効いてギュンギュン響く。
ベースがゴリつくように唸る、埋もれずにストレートに響く。
ドラムが強い、速ければ速いほど打撃音が立ち上がる、バスの一発一発が響く。
キーボードが流麗で埋もれない、滑らかに他の音と調和する。
…それでいて、全ての音がバランス良く配置され、スムーズで聴きやすい。

この音でのヘヴィメタルは驚くほどカッコイイ。背筋が凍る。
いかずち善方型のメロディアス、ハードネス、TB2+M-Wのヘヴィネスで使い分けしたい。

…間違いなくこのスピーカーは自分の世界を一変させた。
キレの良さと硬質な響きからは、もう元には戻れない。

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コメント

こんにちは。
寿庵さんのスピーカーを検索するうちにここに辿り着きました。
好みの音に調整していただけるようですが、いかずちは市販のスピーカーに例えると音質的にどの機種に近いですか?
当方ジャズや女性ヴォーカルメインで、ソナスのMINIMA VINTAGEが好みです。
どうぞご意見を聞かせてください。
宜しくお願いします。

投稿: ファンブル | 2010年10月 1日 (金) 16時06分

始めまして、コメント頂きありがとうございます。

まず始めに、ウチの「いかずち改(略称)」は、
量産バージョンとは違いLOWTHER PM6Aを取り付けています。
通常の「いかずち」ですとエレクトロボイス製PRO-8Aとなり、
音質的には「いかずち」の方が速くて軽快な音になるかと思います。
また、エンクロージャーの材質も違いますので、
スケール感や音の響きは柔らかい雰囲気になるかと思います。

ウチの「いかずち改」は、現在、寿庵様で発売されている、
「亮寿」の音に近いと思います。
…と言うか、ウチの「いかずち改」がプロトタイプで、
その状態からブラッシュアップと音質を極めたモノが、
あの「亮寿」となったと考えていいと思います。

ですから、予算的な問題があろうかと思いますが、
もしご購入を考えておられるならば、失敗しない為にも、
割高ではありますが「亮寿」をオススメします。

さて、本題です。

ファンブル様はソナスのMINIMA VINTAGEが好みとの事ですが、
滑らかで艶やの有る、湿潤としたふくよかな音質というのが私のイメージですが、
この様な暖かみのある低音を好みとされていますと、
おそらくは寿庵様のスピーカーとは相反するかもしれません。

私も一時期は60組近くのスピーカーを所持し、比べていましたが、
「いかずち改」については、その全体的な雰囲気が似たスピーカーは皆無でした。

いわゆるメーカー製の、何の音源ソースでも、そこそこ、そつなく鳴らせるとは違い、
「いかずち改」では低音の重苦しく、音源を再現する為の「作られた低音」は出ません。

エンクロージャー構造により創意工夫されて自然に近づけた低音ではなく、
スピーカーユニットが出せる、ストレートなキレのある低音が「いかずち」だと思います。

ゆえに、
サイズ、スケール感は全く異なりますが、
似たような感じというのを上げれば、
「SOULNOTE sm1.0」が雰囲気的には近いかもしれません。

無論、この小スピーカーでMP6Aと同等の音が出せる訳もなく、
何よりアンプからガツンとダイナミックかつ、大きなスケールで、
それでいて細部まで繊細に再現できる(悪く言うと神経質な)のとは違いますが、
弦、打音、スピード感、金属音は似た雰囲気があり、
その個性的な音のなりは、近いかもしれません。

ファンブル様の好みにもよりますが、ゆったりとした柔らかく湿り気を帯びた、
女性ボーカルの色気などの再生をお望みになるとすれば、
Sonus faber やFOCAL / J'Mlab、Dynaudioなどがイイかもしれませんが、
スピード感、キレがあり明瞭で力強い中高音、
そして中低音のエンクロージャーから来る呵々とした質の良い響き…
これらはメーカー製スピーカーとは一線を画す、強烈な個性を持っており、
この音が聞き手とマッチできるかどうかが一つの要だと考えます。

私からアドバイスするならば、「いかずち」などの後方開放型では重厚な低音は期待せずに、
スピーカーが持つ本来の音を楽しむには最高かもしれません。
何より、エンクロージャーの響きから発せられる音は、
メーカー製の制御された音とは別格の良さがあります。

個人的な考えから言えば、寿庵様のスピーカーは、
かなり耳の肥えた方や多くを聞いた人向けだと思います。
既製のスピーカーに飽きてしまった方にとっては、
唸るくらいに面白く聞こえるかもしれません。

逆に言えば、音域がバランス良く、低域から高域まで滑らかな音が好みの人には、
少々乱暴な感じの音に感じられるでしょう。

私としては、一度は聞いてみる価値があるスピーカーだと思っています。
ただ、そこに個人的な好みの問題が存在しますので、
あからさまに「おすすめ」とは言いにくいです。
(…とは言え、気に入らなければ、私が買うとでも言えますが(笑 )

ドラムスの打音、ギターの弦の音、若く張りのある美声、等々。
そう言ったのが好きな人にはたまらないかと思います。

もし興味がありましたら、ネット販売等でそのまま注文されるのではなく、
メール等でコンタクトををとってから、直接電話で相談されると、良い提案が頂けるかもしれません。

それでは、それ程良い参考に鳴られたとは思えない文章で申し訳ございませんが、
ファンブル様のオーディオライフが少しでも豊かになれます事をお祈りします。

投稿: ひろひら | 2010年10月 1日 (金) 19時35分

ひろひら様

とても分かりやすいインプレを有難うございました。
私の好きな音の傾向はご推測の通りです。
さすがご経験豊富で、ご指摘にも一本芯が通っていますね。
まさにソナスのミニマとDYNAUDIOの二択で悩んでいる所に
雑誌で寿庵の記事が目に止まった次第です。

全帯域が音の洪水のように一気に出てくるのではなく、
ヴォーカルを中心に楽器隊が一歩下がって周りを囲み、
低域は量よりもベースの音階が聞き取れること。
そして、アコギなどの弦楽器の艶や響きを最重要視しています。

インプレによりますとある部分はとても好みに合いそうですし、
そうじゃない部分もありますね(苦笑)
CDPはsoulnoteを使っていますが、同社のスピーカーを良いと感じたことはありません。
この辺りがポイントになってきそうですが・・・。

視聴だけはかなりの数をこなしているつもりですが、
分析的に音を追求するのに疲れてきましたので早く自分にはこれ!
というスピーカーを探して生涯の友にしたいです。

幸いなことにお店のご好意で視聴機を貸し出していただけることになりましたので、
そこでじっくり聴いて判断したいと思います。

視聴機は順番待ちのようですので、また届き次第報告させていただきます。
本当に有難うございました。

投稿: ファンブル | 2010年10月 1日 (金) 22時47分

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